ネットでどこでも! 府民交流フェスタ
トップへ
だんたいしょうかい

団体紹介

CATEGORY
子育て環境日本一

京都保育の魅力発信キャンペーン実行委員会

保育士の確保・養成が課題の京都府。保育の魅力に気づいてもらうきっかけづくり

 保育士という仕事に対する社会的な要請が高まる一方で、京都市内を含めた京都府内においても、保育士の確保・養成が喫緊の課題となっています。

 このような現状を受けて、平成29年度、京都府・京都市・京都府保育協会・京都市保育園連盟の4者で構成する「京都保育の魅力発信キャンペーン実行委員会」を開設。保育士の方はもちろん、中高生・大学生など学生の方、社会人の方など幅広い方々に対して、保育に関する様々な情報や魅力を発信する取組を行っておられます。

 4 者共同で開発・運営するポータルサイト「ほいなび」では、京都市内を含めた京都府全域の保育園・認定こども園などで保育士として働く・働きたい方へのイベント・説明会情報の掲載や、園の職員数・キャリア制度・特色など詳細が充実した紹介ページなど、保育の情報・魅力を伝えるコンテンツを展開。

 SNS での魅力発信のため作成された保育現場のおもしろく温かいエピソードを紹介する4コマ漫画や、保育士さんへのインタビュー・密着ドキュメンタリー動画の作成を企画された細井さんに、どのような想いで広報活動をされているのか、お話を伺いました。

細井 唯花さん
京都府こども・青少年総合対策室の保育・子育て支援担当として、SNS での4コマ漫画発信、ドキュメンタリー動画制作を企画され、広報で保育の魅力を広める活動をされています。

ニーズに対して不足する保育者。現場を体験し、魅力を再確認してもらうことが大切

 2006 年、保育園・幼稚園でもない新しい園「認定こども園」が制定されました。保育機関は増加し、保育者のニーズも増える中、保育者の数が足りていないのが現状。細井さんは、潜在保育士の増加が課題のひとつだと言います。「資格を持っていても現場に出ない潜在保育士さんが増えています。給与・待遇の改善が進められる中、『保育士は大変だ』というイメージが未だ根強く、教育プロセスも変化し、特に4年生大学では学校で学ぶ中で別の道を選択される学生さんも多いです。現場を体験せずに、給与や待遇を気にして諦めてしまうのはもったいない。園で子どもと触れ合い、保護者・先生たちと関わることで保育の魅力が最も伝わると思います。その機会を増やしていくことが必要ですね。」

「保育士を目指す一番の理由は『子どもがすき』。こんなに一日中笑顔で働ける職場は他にありません。」

 細井さんが考える「保育の一番の魅力」について伺うと、「一言では言い表せないんですが…」と前置き。「保育士を目指す1番の理由として、みなさん『子どもがすき』という気持ちが根本にあるはずなんです。待遇や給与についての根強いイメージで保育の道をあきらめる気持ちが生まれることがあっても、子どもと関われば子どもがすきな気持ちをきっと思い出すと思うんです。」
 「もっと早い中学、高校の段階で子どもに触れ合う機会を増やし、園で子どもたちのかわいさ・おもしろさ・素直さを感じてもらうことができれば、その気持ちを強く感じてもらえると思います。」

 もうひとつの魅力は「人との関わり」だとおっしゃいます。「毎日子どもたち・先生・保護者と関わる園では、笑顔が絶えません。こんなに一日中笑顔で働ける職業は他にないと思います。インスタグラムで発信する4コマ漫画のエピソードを府内の園から募集しているんですが、『子供や保護者とのエピソードで印象的なものをください』とお願いしているんです。でも結果集まるのは子どものほっこりするエピソードがほとんどで。保育士が子どものことを一番に考えているからこそ、子どもの魅力に気がつくんですね。」

保育の専門性を伝える動画制作

「ただ子どもを預かるのではなく、子育てのプロなんです」

 4コマ漫画で募集するエピソードは子どもの心温まる話が多数。それは保育士さんが子どもひとりひとりをよく観察し、子育てしてくださっているからです。

「保育士さんはただ子どもを預かるだけではなく、ひとりひとりその子の性格や成長度合いを見ながら、ねらいを立てて子育てをされています。例えば子ども同士で喧嘩が起こったとき、すぐに仲裁するのではなく、ひとつの保育の過程としてまず見守る、といった対応をされます。ひとりひとりの個性を伸ばすため、個々の成長に合わせたプランをきちんと立て、日々勤務なさっています。」

 保育士は、非常に専門性の高い職業であると細井さんはおっしゃいます。「個々に目を向けそれぞれ計画立てて子育てするというのは、プロにしか無理です。保育にあまり興味のない方は、保育園・幼稚園は「ただ子どもを預かって面倒を見るところ」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。ドキュメンタリー動画では、専門職であることを伝えられるような内容にしました。

先生・園の個性=「保育」
先生の個性で子どもの個性を伸ばす

 子どもにも個性があるように、先生、園にも個性があります。「府内で全体的な方針があるわけではなく、先生の保育に対する仕事観=保育観を大切にされています。認める保育・自主性を尊重する保育で子どもの良さを伸ばしたい、先生の特色を生かして、音楽が得意な先生は音楽を、運動が得意な先生は運動を取り入れたい、など園や先生によっても方針がさまざまで、無限のやり方がある部分も魅力ですね。」

WEB で魅力を発信する①制作の上で大切にしていること「現場の声を伝える」

 細井さんがWEB での魅力発信の中で大切にしているのは「現場の生の声を届ける」ことだと言います。「普段保育に携わる人が当たり前に思うようなことでも、現場を知らない人から見れば大きな発見かもしれません。抽象的な言葉で『子どもはかわいい』だけで終わらせないように、を意識しました。」

 「動画についても、1 日のうち2~3時間撮影する、ではなく、朝から晩まで1 日カメラをまわしっぱなしにして魅力を伝えられる場面をピックアップして作成しました。” 作ったもの” にならないよう、リアルな様子を伝えられるよう工夫しました。」

 テーマを4つに分け、それぞれ「保育士の仕事を夢見た日編」「保育士とこどもの一日編」「保育園のイベント編」「実習生の奮闘編」として、園・先生によって異なる保育の1 日に密着し、まとめられました。

 「保育園のイベント編」では、音楽会のようすに密着。先生が決めたことを発表するのではなく、子どもたちの普段の会話から興味・関心のある事柄をピックアップして発表会まで準備しました。本番後、練習以上の成果を披露できた子どもたちひとりひとりに声をかける先生の姿が印象的です。

 「実習生の奮闘編」で奮闘する学生さんたち。計画から反省まで分析するようすを見ると、専門性の高い職業であることが伝わります。

WEB で魅力を発信する②個性をアピール

 4コマ漫画が生まれた経緯について、「急に理由がポップになるんですが( 笑)、SNS に毎日アップされる4コマ漫画のお話がすごく流行って、若い学生さんを始めこれなら多くの人に見てもらえるんじゃないかと思ったのがきっかけです。エピソードを掲載した園には実際に見学に来られる方がいらっしゃるなど、反響もちらほらありますね。」

 「お話の最後には園の名前を掲載しているので、その園の雰囲気とか個性が伝わってPR にもなればいいなと思います。」

魅力発信の難しさ。園ごとにさまざまな魅力をどう伝えるか

 「保育士は離職率が高めと言われます。給与、残業、休みの改善、キャリアを維持したまま復職できるような仕組みの改善など、人材確保に向けた待遇改善が勧められています。ですが、魅力である園それぞれ方針が異なるという点が、合う・合わないの問題につながることもあります。園長、副園長以外にリーダーなどのポジションを設定され、給与のステップアップをしやすくするなど改善に取り組まれている園も多々ありますが、学生さんはそこまで詳しく調べることも難しいかもしれません。園による違いの把握が大切であり、その点の認識を広くアピールする必要がありますね。」

今後のビジョン:園を訪れるきっかけづくり

 「目的である人材確保を第一に、特に学生さんをはじめもっと多くの方に見てもらえるよう広報活動を発展させたいです。潜在保育士の方にも、もう一度子どもと関わってみよう、とりあえず園見学に行ってみよう、と一歩踏み出してもらうきっかけづくりをしていきたいですね。」