「建築士」とはどんな仕事でしょうか?建物をデザインする仕事?住宅の設計をする仕事?そんな華やかに見える「建築士」の仕事は厳しいルールの下で行われています。実は知らない建築士の世界。京都市北区の紫明会館にある一般社団法人京都府建築士事務所協会を訪ねました。
建築士が建築主から依頼された建物を「設計」するためには、個人の免許である「一級建築士」「二級建築士」を取得するだけでは、業務ができません。実は、「一級建築士事務所」「二級建築士事務所」「木造建築士事務所」という事務所としての登録を行うことで初めて「設計」や「デザイン」を行うことができるのです。そんな建築業界では常識と思われることも、一般的には知られていないことが多いのではないでしょうか?
建築士が携わる「建物」の種類にはどんなものがあるでしょうか?戸建て住宅、マンション、オフィスビル、商業施設や会社の社屋もそうですし、工場なども当然です。数え上げるとキリがありません。設備や構造に関わる素材もどんどん変わりますので、建築に関する多種多様な知識を正しく持つこと、ルール通りに建築に携わることは建築士としてとても重要なことなのです。
では、「工事監理」という言葉をご存知でしょうか。「工事監理」とは、建築工事において設計図書の通りに実施されているか確認監督することです。これも施工の際には建築士事務所の建築士が担当するのがルールになっている業務なのです。
そして、建築士が携わる業務には下記のようなものがあります。
また、建物を取り巻く環境も変化が激しく、例えば「国が定める『省エネ性能』に留意した家づくり等のルール」などは度々変わっていきます。このようなことを各建築士事務所が把握することは難しいものがあります。そこで、京都府建築士事務所協会の出番となるわけです。
京都府建築士事務所協会は、建築文化の向上をはかり、公共の福祉増進に寄与することを目的とされています。
建築基準法に定められた設計から、工事の請負に関する契約、建築物に関する調査・鑑定、条例に基づいて手続きの代理が行われる建築事務所における業務の適性な運営の確保など、法・条例を遵守した建築事務所の運営を目指し活動されています。
私たちが暮らす町並みは、さまざまな住宅・施設によってつくられています。建築士事務所協会は建築士法に定められた法定団体であり、京都府に登録された建築の設計・工事監理を業とする「建築士事務所」の開設者を会員とした京都府内唯一の公益法人です。現在、京都府下正会員372 の建築士事務所と賛助会員53社の合計425 社が参加され、社会に貢献されています。(令和2 年12 月現在)
何となく、京都府建築士事務所協会の役割がわかったところで、では具体的にどんなことをされているのかを見ていきましょう。
例えば、「設計が原因で雨漏りをしている」、「図面と仕上がりでイメージしたものと違う」などの建築士業務に端を発するトラブルが起こった時、誰に相談したらいいか、わかりませんよね?こんな相談を建築士事務所協会では受け付けてくれます。建築士・施主の両方の話を聞き、指導、助言及び勧告してくれる機関でもあるので、大変頼りになる存在です。
その他の相談業務はこちら
主となる活動は「法定団体」として、ルールに従って建築が遂行されるよう、新しい法規の情報を共有、徹底を促すなどの建築士事務所向けサービスを通じて、府民の住環境を健全なものに保っていくことです。
その他に建築士事務所としての登録業務、設計業務の報告受付業務など、活動は多岐に渡ります。公式サイトでは安心・安全な家づくりを行うための建築士の皆様の日頃の研鑽と、それを牽引する建築士事務所協会の活動について触れることができますので、是非ご訪問ください。